文書作成日:2020/09/29
書類送検など厳しい対応が取られる労災かくし
労働災害が発生し、労働者が休業したり、死亡したりしたときは、労働基準監督署に労働者死傷病報告を提出することが義務付けられています。この提出を怠ったようなときには「労災かくし」として問題になります。以下では、労災かくしとはどのようなものかを確認し、労災保険を利用すべきところ、誤って健康保険を利用した場合の対応についてとり上げます。
[1]労災かくしとは
労災かくしとは、故意に労働者死傷病報告を提出しないこと、虚偽の内容を記載した労働者死傷病報告を労働基準監督署に提出することを言います。このように労災かくしが行われると、本来、取り組むべき労働災害の防止が適切に行われず、同様の労働災害を発生させることが考えられるため、労働基準監督署においては厳しい対応が行われています。
実際に近年、厚生労働省ではホームページで、労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法等の労働基準関係法令の違反について書類送検した企業名等が公表されていますが、この労働者死傷病報告を提出しなかったことにより、書類送検され、企業名等が公表されている事案も多く見られます。
[2] 労働災害の受診に健康保険証を使った場合の対応
労災保険を利用して受診すべき労働災害によるケガや病気のときに、健康保険証を提示することで健康保険を利用して医療機関で治療を受けると、健康保険から労災保険への切り替え手続きが必要になります。この切り替えについては、まず、受診した医療機関の窓口に申し出て、切り替えが可能かを確認します。
労働災害が発生したときに、医療費等について労災保険を利用せずに、全額会社が負担することもあります。このように労災保険を利用しない場合であっても、休業等が発生したときは労働者死傷病報告を提出する必要があります。意図せず労災かくしにならないように、確実に提出をしましょう。
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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